病院のあり方1
皆さんはもし病気になったらどうしていますか。勿論病気の症状の如何、また症状の軽重にもよりますが、大体の場合皆さんの多くはまずは薬を飲んでみたり、或いは家でゆっくり休養を取ったりする等の方法で、まずは自分で治してみる、できるだけのことをしてみるのではないでしょうか。そして自分では手に負えないような病気、或いは重い症状の場合、そのとき病院に行って医師にかかる、という方法を取る人が多いのではないでしょうか。風邪等私達にとって比較的馴染みで、また軽い病気ならともかく、この世に存在する多くの病気が、医師或いは医療の専門家の力なくしては治せないものです。もしこの世に医師がいなければ、病気によって多くの人の生命が失われ、私達の健康な生活やその生命は常に脅威に晒されることになるでしょう。そうして私達の社会は維持不能となってしまうでしょう。医師や看護師等医療に携わる仕事は、私達の健康や生命を守る崇高な職業であり、私達の社会にとっても宝とも言えます。こうした仕事なくしては私達の社会は成り立ちません。また医療は教育や福祉等と並んで、社会資本と言うこともできます。少し難しい言葉で社会資本について説明するなら、社会資本とは、私達の一つの社会における恵まれた経済生活、優秀な文化生活、豊かな精神生活を保障するための装置です。もし現在社会においてこうした社会資本が有効に機能しなくなるようなことがあれば、当然ながら文明が高度に発達した現在社会は成り立たないことになります。振り返れば人類の歴史において、伝染病の流行によって多くの人命が失われる、といったことが何度もありました。それは医療技術が発達していなかったことが一番の原因だとも言えますが、同時に社会における医療という社会資本が未発達だったことも見逃せません。もし現在において医療という社会資本が未整備なようなら、私達の生活は中世か、もしくはそれよりも更に昔の形態に戻ってしまうとも言えるでしょう。
ところで現在の日本社会は高度に発達した市場経済システムの中で成り立っています。言うまでもなく私達日本人はそうした社会、システムの中で生活しています。市場経済システムとは市場における需要と供給のバランスによって、物の値段や価値が決定されるシステムです。そうした市場経済システムを構成する基礎的なルールであり、不文律とも言える原則が競争です。市場経済の世界では競争が行われることが当たり前であり、市場におけるシェアを奪い合います。そして競争に勝った者が生き残り、逆に競争に敗れた者が淘汰されます。ちなみにこうした市場経済と全く異なるシステムで成り立っているのが、嘗てソ連等の共産主義国で見られた計画経済システムです。
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ところでここまで長々と市場経済のシステムについて話してきましたが、もし私達の医療のシステム、世界が完全にこうした市場経済の競争原理に移行すれば、どうなるでしょう。皆さんはこうしたことを考えたことがありますか。日本は資本主義社会なのだから、病院だって当然ながらそのシステムと密接に繋がっているのでは、と皆さんは思われるでしょう。ですがここでちょっと待ってください。病院が完全に市場経済の考え方によって成り立つことになったらどうなるのか。ここではそうした角度から病院のあり方について検討健闘していくことにします。